[原子力産業新聞] 2000年5月11日 第2037号 <1面> |
[発電技検] 高経年化技術センター、第1回検討委員会を開催高経年化対応を本格化発電設備技術検査協会の高経年化技術センターは4月26日、高経年化技術検討委員会第1回会合を東京・千代田区の東海大学校友会館で開催した。同委員会は産官学の連携協力のもとに進める必要のある技術開発や、その成果の活用に関する事柄について調査審議を行い、この4月に発電技検内に設置された高経年化技術センターに対して提言などを行うほか、同センターの円滑かつ合理的な運営に役立てようというもので、通産省の委託業務の一環として、今年度は3回、次年度以降は年に2回程度のペースで2008年度まで行われる。第1回目となる今回は、委員長に朝田泰英東大名誉教授を選任するとともに、委員会の運営要綱などについて議論を行った。 わが国の原子力発電プラントは、今年中に運転年数が30年に達するものが出るとともに、今後10年以内に20基が運開後30年を超える状況にある。このため国や電気事業者などはかねてより、これから高経年化するプラントの安全を確保するために、高経年化技術評価、長期保全計画といった総合的設備管理方策の実施や技術基準・民間規格などの整備、高経年化対策に役立つ技術開発の実施などに取り組んでいた。 また今後の取り組みについて国は、さらなる効果的な技術開発やデータの蓄積と基準の体系的確備、情報提供などによる国民への理解促進に加え、海外との技術交流などに取り組んで行くことが重要との認識を示している。 このような状況のもと、発電設備技術検査協会は4月1日、通産省の委託業務の一環として協会内に高経年化技術センターを設けるとともに、高経年化関連の技術開発やその成果に関する幅広い議論を行うための機関として高経年化技術検討委員会を設置して、これらの課題に取り組むこととした。 具体的には産官学の連携協力のもとに進める必要のある技術開発や、その成果の活用に関する事柄について、高経年化技術センターに向けて提言などを行うことにより、センターの中立性・透明性を確保するとももに、「原子力発電所の高経年化関連の課題解決に役立てる」というセンター設置目的の円滑かつ合理的な達成に貢献して行くことが主な目的。活動内容は@技術開発のあり方A効果的な技術開発の企画・調整B技術開発成果の企画・基準化等活用C国際協力−などとなっており、また委員会の下に「技術開発」と「成果活用」の2部会を設置して、具体的な検討を実施して行く計画だ。 会の冒頭、挨拶を行った通産省・資源エネルギー庁の藤冨審議官は、「JCO事故が起こるまでは、高経年化問題が一番の関心事だった」と、同問題の重要件を指摘。また委員会に対しては「産官学が連携して進めるべきものにはどのようなものがあるか、提言して欲しい」と、期待の念を述べた。 次回会合は6月2日。高経年化技術の現状と課題などについて審議が行われる予定。
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