[原子力産業新聞] 2000年5月11日 第2037号 <2面> |
[中国電力] 上関原発、漁業補償契約を締結11月電調審上程に弾み中国電力は4月27日、かねてから交渉を行っていた上関原子力発電所の建設にともなう漁業補償について、地元四代漁協、上関漁協および、関係8漁協で作る「共同漁業権第107号管理委員会」と漁業補償契約を締結したことを発表した。関係8漁協のうち祝島漁協は反対の姿勢を崩していないものの、これで中国電力の目指す今年11月の電源開発調整審議会上程に弾みがついたことは確実であり、同建設計画は大きな前進をしたこととなる。 中国電力と四代・上関両漁協の締結した契約の内容は@発電所の建設・運転に対する同意と、これにともなう漁業補償A中国電力は、建設工事にともなう掘削岩石による漁礁の造成その他の漁業振興策に事情の許すかぎり協力するものとし、引続き協議するB発電所事故などにともなう風評による魚価の低下などの損失が生じた場合、中国電力は補償を含む適切な措置を講ずる−など。 中国電力は93年11月、両漁協および共第107共同漁業権管理委員会に対して上関原子力発電所建設の申し入れを実施した際、両漁協は同月それぞれ臨時総会を開催し、発電所建設への同意および敷地埋め立て造成などにともなう漁業権の一部消失などについて決議を行った。中国電力はこの決議を受け、98年10月から共第107号共同漁業権管理委員会の交渉委員会と、翌年6月からは両漁協と漁業補償交渉を開始し、両漁協は今年4月22日に漁業補償の妥結を、また共第107共同漁業権管理委は同月26日に、発電所建設の同意と漁業補償交渉の妥結などを決議し、今回の漁業補償契約締結に至った。 上関原発は、改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)2基、出力は1、2号機ともに137万3,000kWで計画されており、今年11月の電源開発調整審議会上程、1号機は2006年9月の着工、2011年11月の運開を。2号機は2009年12月の着工、2014年12月の運開を、それぞれ予定している。
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