[原子力産業新聞] 2000年5月18日 第2038号 <1面> |
[防災基本計画] 原子力対策編を拡充修正15分以内の通報義務など国の中央防災会議(会長・森喜朗首相)は12日、関係省庁の局長クラスで構成される中央防災会議局員会議で、今までの「防災基本計画原子力災害対策編」を大幅に拡充した修正案を決め、同日公表した。昨年9月に発生した東海村 JCO 施設の臨界事故を受けて、同年12月に制定された「原子力災電対策特別措置法」が6月から施行されることに合わせて修正されたもので、月末までに中央防災会議(今国は会議は開かれず、首相までの持回り決議になる見込み)で正式決定される。 修正案は、これまで原子力発電所、再処理施設に限定されていた対象を加工施設、貯蔵施設、廃棄施設、運搬にまで拡充するとともに、原子力災害対策特別措置法に関連する記述の追加や、モニタリング機能の強化等計画の実行性を高める具体的な記述の充実も図られていることが主な特徴。また各主体に対して、あらゆる事態を想定して対策を講じるばかりでなく、想定外の事態にも対応できるよう、体制整備に向けての努力を求めている。 見直しの主なポイントとしては、「災害予防」として、原子力事業者に対しては全ての活動について、多重防護の考え方に立つことを明示するとともに、安全規制担当省庁に対しては危機管理マニュアルの策定を規定している。また国によるオフサイトセンターの指定と平常時の訓練に活用する旨も定めている。 一方、「災害応急対策」については、原子カ事業者が特定事象を発見した後、15分以内を目途に官邸、安全規制担当省庁などへ通報することを規定したほか、救助・救急、医療活動の実施に関する規定を明示。さらには核燃料物質などの運搬中の事故に対する応急対策の実施に関する規定も盛り込まれている。
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