[原子力産業新聞] 2000年6月8日 第2041号 <2面>

[資源エネ庁] 定期安全レビュー評価

5ユニット「問題なし」

 通産省・資源エネルギー庁は5月29日、関西電力、東京電力、九州電力から提出された、原子力発電所5ユニットについての「定期安全レビュ」報告書の評価を発表。対象となった全ての号機の報告書について「安全性向上に向けての保安活動は適切に行われている」と評価し、同日開催の原子力安全委員会に報告した。

 今回評価の対象となったユニットは、関西電力の大飯発電所1号機(PWR、117万5,000kW、79年3月運開)、同2号機(PWR、117万5,000kW、79年12月運開)、美浜発電所3号機(PWR、82万6,000kW、76年12月運開)、九州電力の玄海原子力発電所2号機(PWR、55万9,000kW、81年3月運開)、東京電力の福島第二原子力発電所1号機(BWR、110万kW、82年4月運開)の、運開後18〜24年を経た5基。エネ庁は全ユニットについて、所得する各社の行ってきた自主保安活動を取りまとめた報告書を@「運転経験の包括的評価」については、国内外の原子力発電所で発生したトラブルなど運転経験の反映、予防保全対策、放射線作業従事書などに対する被曝低減対策などの措置がとられてきているA「最新の技術的知見の反映」については、運転閉始以降に得られた軽水炉の安全性に関する重要な知見を当該号機に反映し、原子炉施設の安全性の向上につとめているB「確率論的安全評価」については、当該号機の確率論的安全評価が実施され、その結果に基づいて安全上の特長の把握、その知見が生かされている−と評価し、その妥当性を確認した。

 定期安全レビューは、運転期間の長期化などを踏まえた総合予防の観点から、エネ庁が92年6月以降、原子力発電所を有する電力会社に対して要請しているものであり、電力各社はこれを受け、自社の原発の運開以来行ってきた自主保安活動について、国内外の原発のトラブルなどから得られた運転経験や原子力安全にかかわる最新の技術的知見の反映状況を調査・分析するとともに、確率論的安全評価も用いて総括したものを報告書としてまとめている。

 今回発表されたのは、この報告書についてエネ庁が評価を行う「定期安全レビュー評価」で、94年の第1回を皮切りに翌95年の第2回、97年11月の第3回、98年6月の第4回、99年の第5回と回を重ねており、今回の評価は第6回目。これで計23基についての報告書評価が終了したことになる。


Copyright (C) 記事の無断転用を禁じます。
Copyright (C) 2000 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM,INC. All rights Reserved.