[原子力産業新聞] 2000年6月8日 第2041号 <3面>

[ストーン&ウェブスター] 資金不足で破産申請

 米国のニューヨーク証券取引所は5月9日、ストーン&ウェブスター(S&W)社が実質的にすべての資産の売却を求めて破産管財手続きを申請したのを受け、同社株の取り引きと上場を停止した。

 ボストンに本部を置くエンジニアリング会社である同社は、4月14日に公表した99年の決算報告書で安定した経営ぶりを示唆していた。しかし、その2週間後に「子会社の予期せぬ費用超過のため、実質的に2,750万が(30億4,000万円)を支払わねばならなくなった」と述べ、決算報告書を訂正するとの考えを明らかにした。同社では98年頃からすでに一連のプロジェクトで費用超過がかさんできており、資金繰りの破綻から破産申請するにいたったもの。

 また、決算報告訂正の発表により同社の株価は74%急落。最初の報告発表直後に同社株を購入した投資家達は「虚偽の財務報告を発表した」として、3件の集団訴訟を起こしたと伝えられている。

 なお、S&W社と原子炉廃止措置契約を結んでいたメーン・ヤンキー原発の所有会社は契約の打ち切りを決めた。


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