[原子力産業新聞] 2000年6月15日 第2042号 <4面>

[総務庁調査] 98年度わが国の研究支出、「原子力」は4,560億円

総研究費は約16兆円

 総務庁はこのほど、1998年度の科学技術研究調査の結果をまとめた。それによると、98年度のわが国の科学技術研究費の総額は16兆1,399億円で、前年度に比べ2.5%増加した。その中でエネルギー関係の研究費支出は1兆1,052億円、うち原子力は4,560億円となった。また、国内総生産(GDP)に対する研究費の比率は3.26%で、前年度に比べ0.14ポイント上昇した。

 この調査は1953年以降、毎年4月1日現在の@研究費(人件費、原材料費等)A研究関係従事者数B国際技術交流−など、わが国の科学技術に関する研究活動の状態を調査しているもので、今回は会社等(資本金1,000万円以上の会社および特殊法人)1万2,400件、研究機関1,400件、大学等2,800件を対象とした。研究費総額に占める民間の割合は78%、国・地方公共団体は21.7%となり、前年度に比べ民間が1.4ポイント低下し、政府が1.3ポイント上昇している。

 研究費支出のうち、エネルギー研究費は全体比6.8%、そのうち原子力は2.8%。そのほか、宇宙開発1.6%、海洋開発0.5%、情報処理10.4%、環境の保護2.4%、ライフサイエンス9.8%となった。また、研究費総額16兆1,399億円を研究主体別でみると、そのうち会社等は10兆8,001億円(前年度比1.3%増)、研究機関2兆1,170億円(4.6%増)、大学等3兆2,229億円(5.4%増)。会社等の中で、エネルギーはその3.4%の3,507億円、うち原子力は559億円。同じく研究機関の中で、エネルギーは33.1%の7,008億円、うち原子力は3,663億円、大学等でエネルギーは1.7%の537億円、うち原子力は338億円となっている。

 また、99年4月1日現在の研究従事者は、105万4,400人で、前年に比べ3.1%増加した。このうち、研究本務者(所属の組織で研究を主とする)は73万2,700人、兼務者(外部に本務をもつ)は4万9,000人となっており、研究本務者に占める女性の割合は10.0%だった。

 98年度の会社等における諸外国とのパテント、ノウハウや技術提供および受入れなど技術貿易については、技術輸出の件数が9,517件と前年度に比べ4.9%減ったものの、総額は9,161億円と前年度に比べ10.2%増加した。一方、技術輸入の件数は6,627件(前年度比15.2%減)、支払額は4,301億円(同1.9%減)とどちらも減少している。この結果、受取額が支払額を4,860億円上回り、受取額超過は前年度より更に拡大し、技術貿易収支比率も2.13と過去最高になった。


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