[原子力産業新聞] 2000年6月22日 第2043号 <2面>

[サイクル機構] 加・ウラン鉱床、国内4社と譲渡合意

9月にも合弁企業と契約へ

 サイクル機構がカナダに所有している14のウラン鉱床権益とミッドウエスト鉱床に関する権利について、同機構と国内企業4社は15日、基本的な譲渡条件について合意した。今後は4社が設立する合弁企業(コンソーシアム)と9月頃に譲渡契約を締結する。

 コンソーシアムは現地子会社を設立し、探鉱活動を始めるが、合意事項では@権益継承後、最低5年間は権益を維持A譲渡対価の支払いは成功延べ払いとし、コンソーシアムは鉱山生産開始後、その純利益の10%をサイクル機構に支払うBコンソーシアムは、ミッドウェスト鉱床に関する権利の対価収入をカナダ権益の維持のみに使用する−などとなっている。

 最終的に譲渡に合意したのは伊藤忠商事、海外ウラン資源開発、三菱商事、三菱マテリアルの4社。実際に採掘が見込まれるのは2015年頃からであり、その間の権益維持管理費はサイクル機構が海外ウラン資源開発の子会社に譲渡した権益(ミッドウエスト鉱床に関する)の譲渡対価を充てることになる。

 一方、カナダ以外の鉱床については国内企業から譲渡の要請はなかったことから、@アーネムランドウエスト地区(豪)の権益はカメコ社が権益の2分の1を取得中であり、これが完了する2002年頃に残りの半分について国内企業への移転の可能性を再検討するAその外の豪州とアフリカの4権益については今年度中に海外売却、放棄等を行うB米国・カナダの2権益に補修するロイヤルティについては経費負担がないため当面サイクル機構が維持する−ことになる。


Copyright (C) 記事の無断転用を禁じます。
Copyright (C) 2000 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM,INC. All rights Reserved.