[原子力産業新聞] 2000年6月29日 第2044号 <3面> |
[EC] 独電力の合併承認独占防止で条件課す欧州委員会(EC)は13日、ドイツで第2位および第3位の大手電力供給会社であるVEBA社とVIAG社の合併を条件付きで認めると発表した。 両社間の合併交渉が完了したのは昨年9月のこと。この合併は実質的に、VEBA社の子会社であるプロイセン電力とVIAG社の子会社であるバイエルンベルク社が新たにE・ONパワー社として統合されることや、国内で稼働する19基の原発のうち12基が新会社の所有となることを意味している。ドイツではまた、その後まもなく同国で最大手のRWE社とヴェストファーレン合同電力(VEW)が合併する意向を表明したことから、これら二大グループが同国に供給される電力の80%を支配下に置く可能性が出てきた。このため、二つの合併により電力市場が寡占化され、競争原理が損なわれる危険性についてECとドイツ連邦政府のカルテル局が審査を進めていたところ。 今年初頭にECらはこれらの合併を認めないとの見解を表明したが、VEBA/VIAGは所有していた他社の持ち株を売却することや市場の透明化を確保する対策の実施を提案。いくつかの条件の元で合併が許されることになった。RWE/VEWも同様の提案を連邦政府カルテル局に申し出ており、近々合併が承認されると見られている。 これらの合併の主な条件は次の通り。@VEBA/VAIGおよびRWE/VEWの両グループは東ドイツの褐炭火力発電会社であるVEAG社に持ち株の一部を譲るほか、7年間にわたって同社から電力を購入するARWE社はザクセン州の供給業者であるエネルギー・サシュセン・ブランデンブルグ社(ENVIA)を売却するB両グループは南北間の電力供給に送電手数料を課さない−など。 また、VEAG社は褐炭生産会社のLAUBAG社とともに両社間のリンク業者の役割を果たすことになる。
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