[原子力産業新聞] 2000年6月29日 第2044号 <4面>

[宇宙事業団] 宇宙基地搭載装置「中性子モニタ」出荷

 宇宙開発事業団(NASDA)は12日、国際宇宙ステーション(ISS)に搭載される実験装置としては我が国初めてとなる「中性子モニタ装置」を米国宇宙局(NASA)に向け出荷した。

 このモニタ装置は宇宙飛行士の全放射線被曝量の5〜30%を占めているといわれる中性子の線量を、船内の中性子エネルギースペクトル(分布)により測定するもので、来年2月に打ち上げ予定の「ディスカバリ」号によってISSまで通ばれ、約6か月測定を行う。

 ISSは日米加欧露などの国が協力して構成パーツを四十数回に分けて打ち上げ、宇宙空間で段階的に組み立て、様々な実験や研究を長時間行う宇宙基地。2004年の完成を目指して建設が行われている。同装置は中性子モニタを含む重イオン、微小粒子、原子状酸素などの船外の宇宙環境などを計測する。

 今回出荷された中性子モニタ装置はISSの米国実験棟に組み込まれ船内測定し、ISSでの有人宇宙活動に必要となる宇宙放射線被曝管理技術の向上に資するための基礎データを取得する。


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