[原子力産業新聞] 2000年7月6日 第2045号 <2面>

[ウラン廃棄物] 浅地中処分の可能性検討へ

「段階管理」は適用せず

 原子力委員会の原子カバックエンド対策專門部会は6月26日の会合で、同部会が今年3月に設置した「ウラン廃棄物分科会」(主査・石榑顕吉埼玉工業大教授)からウラン廃棄物処理処分の検討状況について報告を受けた。報告では従来の低レベル放射性廃棄物で適用されてきた段階管理の考え方を適用することは合理的でなく、新しい考え方が必要となるとして、ウラン廃棄物の特徴を考慮した考え方に基づく浅地中処分の可能性などについて今後検討していくとしている。

 ウラン廃棄物はウランの濃縮、燃料加工等に伴って発生し、主な廃棄物としては排気フィルタ、廃液処理スラッジ、焼却灰、可燃・難燃・不燃性雑固体廃棄物等がある。現在の累積発生量は民間ウラン燃料加工施設やサイクル機構などから200リットルドラム缶で約10万本、2030年度までには約60万本が見込まれている。

 分科会ではこの廃棄物についての検討にあたって@半減期が長く、廃棄物に含まれる放射性核種濃度の減衰が期待できないA半減期が長く、娘核種の生成・累積があることから処分後の線量評価においてピークが現れる時期が数十万年後になり、線量評価に用いられている評価シナリオがそのまま適用できるかどうかの検討が必要Bウラン核種は天然にも普遍的に存在する核種であり、段階管理で想定されている規制除外線量をこれにも適用することが合理的かどうかの検討も必要−などと指摘。

 今後はこうした特徴を踏まえて@安全かつ合理的な浅地中処分の可能性の検討A浅地中処分できないと考えられるものについては、処分できる可能性のある処分方策の検討を行い、濃度の高いウラン廃棄物もふくめた全体の処分方策を明らかにする−としている。


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