[原子力産業新聞] 2000年7月6日 第2045号 <3面>

[豪州] アルゼンチンに研究炉を発注

2005年の運開見込む

 オーストラリア・原子力科学技術機構(ANSTO)は6月6日、国際競争入札の結果、既存研究炉の後継炉の建設はアルゼンチンの国営企業であるINVAP社への発注を決めたと発表した。

 ANSTOは1958年からシドニー近郊のルーカスハイツ研究所内にある出力1万kwのHIFAR炉を利用してきたが、約40年を経て老朽化が激しくなってきたことから2005年の閉鎖を決定。同じ敷地内に出力2万kWのプール型研究炉を建設することになっていたもの。INVAP社との契約総額は2億8,000万豪州ドル(約80億円)で、同社を選んだ理由としてN.ミンチン産業・科学・資源相は「中性子線および照射施設の性能が高く、建屋のレイアウトも最良。地元豪州の企業との契約割合も53%と最高だった」点を挙げた。

 INVAP社はアルゼンチン国家原子力委員会から76年に分離独立した国有企業で、豪州のジョン・ホランド建設&技術社およびエヴァンズ・ディーキン・インダストリーズ社の2社と提携して作業に当たることになる。設計およびサイトの整備に続き2002年には本格的に建設を始め、2005年9月の運転開始を見込んでいる。


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