[原子力産業新聞] 2000年7月13日 第2046号 <1面> |
[原産会議] 巨大都市への原子力利用の可能性基礎調査に着手すでに世界の電力の6分の1、日本では3分の1以上を軽水炉中心の原子力発電所が供給していることは周知のとおりだが、さらに、発電所以外の原子力エネルギーの利用でも、海水からの眞水の製造(カザフスタンほか)や冷暖房(中国・欧州の一部など)など、各国で多くの実績が積み重ねられている。 また発電炉についても、近い将来、炉心融解を考えなくてよい、いわゆる「安全炉」の開発が進めば、エネルギー需要が膨大な大都市に接近したて立地できる可能性もある。 4月の原産年次大会で、石原東京都知事の発表の中で、日本の安全性の高い原子炉技術は、一歩進めれば巨大都市へのエネルギー供給手段の一つとして考えられるのではないか、そうなれば従来から指摘されている発電地域と消費地域の両地域の意識格差の解消にも寄与するであろうと述べた。 こうした状況を踏まえ、原産会議ではこのほど、巨大都市のエネルギー源としての原子力の利用の可能性について、調査の手がかりとするため、各方面の有識者の意見を聴取しつつ、近未来の巨大都市のエネルギー・淡水等の需給についての計画・データを収集して準備することとなった。
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