[原子力産業新聞] 2000年7月13日 第2046号 <2面>

[NSネット] 安全キャラバンを開催

第1回目は六ヶ所村で

 ニュークリアセイフティーネットワーク(NSネット)は7日、第1回安全キャラバンを青森県六ヶ所村で開催。その一環として「安全講演会」を、同村の文化交流プラザ「スワニー」で、日本原燃六ヶ所本部および原燃輸送六ヶ所輸送事業所を対象に行った。

 安全キャラバンは、NSネット会員の専門家と事務局が会員事業所を訪問し、安全講演や安全教育教材の相互紹介などを実施する、同ネットの原子力安全文化普及活動のひとつ。講演会では冒頭の北村安全部長のNSネット活動紹介に続き、「原子力安全の心構え」と題して講演した板倉哲郎日本原子力発電顧問は、原子力安全について「原子力は潜在的に極めて危険なものであるという認識を、携わる者全てが持っていれば、大きな間違いは起こらない」と、自身の長期にわたる原子力とのかかわりから得られた教訓を披露するとともに、同席者達に対し、「原子力に携わることに対して、胸を張って欲しい」と激励した。

 引続き、「無事故組織」の調査研究を行った吉澤由里子東京電力原子力研究所主任研究員は、講演「安全の秘訣とは何か」で、無事故組織の風土には@「まだ安全ではない」という謙虚な姿勢Aトップから下の者までが、出来る活動をコツコツと続けるB危険な事を「危険」と認識するC過去に起こした事故の事を忘れない−といった共通の特徴があるとして、一人ひとりが安全に真剣に取り組んで行くことを求めた。

 最後に挨拶を行った牧野昇NSネット理事長は、昨今の原子力界に対して吹きつづける逆風を鎮めるには「安全を積み重ねるしかない」と強調。会を締めくくった。

 NSネットでは、安全キャラバンは今後、月に2回程度のペースで開催し、約2年程かけて全会員の事業所を回る計画にしている。次回開催は月内の予定。開催場所は、現在調整中との事だ。


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