[原子力産業新聞] 2000年7月13日 第2046号 <3面> |
[欧州復興開発銀行] 廃炉支援で基金創設東欧の旧ソ連型炉対象欧州復興開発銀行(EBRD)は6月20日、東欧諸国に残っている旧ソ連型の老朽原子炉の廃止措置を支援するため、新たに3種類の基金を創設すると発表した。 支援総額は今後10年間に5億ユーロ(510億円)で、対象となるのはリトアニアのイグナリナ原子力発電所(各150万kW、RBMK2基)、スロバキアのボフニチェ原子力発電所1、2号機(各43万kW、第一世代のVVER-440)、およびブルガリアのコズロドイ原子力発電所1〜4号機(各44万kW、第一世代のVVER-440)。ECによるPHARE(東欧援助緊急時計画)の原子力安全プログラムから出ている現金とは別に、EC諸国から拠出されることになる。 EBRDのJ.ヤーンケ副総裁は声明の中で、「14年前のチェルノブイリ事故で明らかになったように、東欧諸国で今だに稼働する古い旧ソ連型原子炉は彼らが対処しなければならない遺物であり、その閉鎖を支援する基金の役割は非常に重要だ」と指摘。新たな基金は総額10億ユーロ(1,020億円)を超える既存の資金援助−原子力安全基金とチェルノブイリ石棺基金−を補完するもので、廃止措置の初期段階に必要な技術支援、広報、コンサルティング、土木工事、エンジニアリング・サービスなどを提供する。また、対象となる3か国のエネルギー産業を再構築したり、近代化を図るのにも活用される予定だ。
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