[原子力産業新聞] 2000年7月27日 第2048号 <3面> |
[ブラジル] アングラ2、初臨界達成9月にも営業運転へブラジルで2基目の原子炉であるアングラ2号機 (130万9,000kW、PWR) が14日、初臨界に達した。 同炉の設計・建設を担当したシーメンス社によると、初臨界達成は予定より1か月ほど遅れたが現在は順調に起動テストを進行中で、9月には定格出力で営業運転に入る予定だ。 アングラ2号機の土木・建設工事は、同炉と同3号機 (130万9,000kW、PWR) の供給・エンジニアリング・サービスに関する契約がシーメンス社と結ばれてから5年後の81年に始まった。80年代半ばには経済不況とそれに伴う電力需要の落ち込みから3号機の建設工事が中断し、2号機の作業も最小限に制約されている。しかし95年、リオデジャネイロおよびサンパウロ地区での電力需要が急速に増加したのを契機に、当時の政府は2号機建設計画を最優先することを決定。現在でもブラジル国民1人当たりの年間電力消費量は1,850 kWh だが、アングラ2号機の完成により500万人に電力を供給することが可能になったとしている。 同炉の建設工事ではドイツとブラジルの企業が共同で作業に当たったが、これを所有・操業するのはブラジル国営電力のエレクトロブラス・テルモニュークリア社。ブラジルの原子力認可当局である CNEN もドイツ施設・原子炉安全協会 (GRS) との緊密な協力により同炉の安全性に関わる機器の品質管理手続きに携わった。元々同炉は82年にドイツで運開したグラーフェンラインフェルト発電所 (134万5,000kW、PWR) の設計を基に作られているが、その後のドイツの最新技術を採用したネッカー2号機 (136万5,000kW、PWR) の仕様も取り入れられているとしている。
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