[原子力産業新聞] 2000年8月3日 第2049号 <3面> |
[チェコ] テメリン1、燃料の装荷を完了反対派はデモ行進チェコ電力会社 (CEZ) は7月14日、1週間前から開始していたテメリン原子力発電所1号機 (97万2,000kW、PWR) への燃料装荷作業を無事に完了した。 装荷は当初、8月末に予定されていたが、チェコ原子力安全局 (SUJB) が7月5日に認可を発給したのを受けて CEZ は翌6日に作業を開始。同1号機には最終的に163体の燃料集合体 (総重量は93トン) が装荷されたが、SUJB によればこの後起動段階に移るのに何ら問題はないと言う。うまく運べば晩秋にも国内送電網に接続して各種の試験を実施し、2001年5月の営業運転開始を目指す。また、同2号機も2002年11月には営業運転を開始する計画だ。 テメリン発電所の運転については隣国のオーストリアがかねてより計画を停止するよう求めていたほか、同発電所から国境線が近いドイツ・バイエルン州の環境相も独連邦環境・原子炉安全省 (BMU) とともに、同発電所が西欧の安全基準を満たしているか否かの評価を第三者の立場から分析したいと希望していた。 チェコの四つの環境保護団体で構成される反対派連合も、「SUJB は発電所のメリットがリスクを上回るかどうかを原子力法に則って確認しないまま認可を発給した」と非難。燃料装荷前に非原子力状態で試験を行うべきだったと訴えた。作業が終了した14日には、プラハの SUJB 前で反対デモ活動を展開していた反原発派数名が逮捕されたと伝えられている。
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