[原子力産業新聞] 2000年8月10日 第2050号 <1面> |
[原産会議] 原子力委に要望提出来年度の予算編成など日本原子力産業会議は10日、原子力委員会に来年度の原子力関係政府予算編成・施策に対する要望書を提出する。 今回行われる要望は、「来年からの省庁再編をにらんだ本格的な予算編成作業を行うに当たっては、21世紀におけるわが国の経済社会の発展を支えるエネルギーの中でも、中核的な役割を果たす核燃料サイクルを含めた原子力開発の計画的な遂行がぜひとも必要である」とした上で、「すべての原子力関係者が安全の確保に十全の努力を払い、責任感をもって対処することは当然ながら、社会の信頼を確立し、後継者の育成など長期的な人材確保に努め、地球環境問題やエネルギー安全保障をも念頭に置きつつ、政府も以下の諸点に十分配慮し、予算措置や政策の充実を講じる」よう求めている。 今回、要望に盛り込まれた点は以下のとおり。 (1)21世紀に向けた原子力政策と原子力行政の充実。省庁再編による内閣府設置の意義に沿った原子力委員会・原子力安全委員会の機能強化と、関係各省の緊密な相互協力による原子力行政の遂行(2)健全な原子力開発に資する安全規制と安全性研究の実施(3)地球環境対策と将来のエネルギー安定供総の中核としての原子力開発の推進(4)高レベル廃棄物処分事業ならびに使用済み燃料中問貯蔵事業などバックエンド対策への積極的取組み(5)アジア地域での原子力協力に関わる総合的な活動の充実、アジア市場も視野に入れた原子力発電計画や放射線利用への積極的な協力(6)核兵器廃絶に向けた国際情勢への積極的対応や平和利用促進の国際環境整備(7)一層の規制合理化等の措置、原子力発電所新立地方式に関する研究等、柔軟な発想に基づく原子力発電所の運転・立地対策の推進(8)「もんじゅ」の早期運転に向けた積極的対応と FBR サイクル技術開発や、プルトニウム利用計画の促進(9)科学・原子力教育の充実と若手世代の原子力開発プロセスヘの積極的参画の支援(10)医療の向上や食品の安全確保に資する原子力利用の基盤技術の拡大。
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