[原子力産業新聞] 2000年8月10日 第2050号 <2面> |
[東京電力] 福島第一・6号機、地震で小口配管に割れ7月21日の茨城県沖地震後に手動停止した東京電力の福島第一・6号機 (BWR、110万kW) は5日、対策を終え13時に原子炉を起動し、翌6日22時9分に併入した。 停止後東電は調査を実施。結果、福島第一・6号機のタービン建屋内にある「クロスアラウンド管逃し弁」6台のうち、1台の付属小口径配管取付け部に割れによる隙間が発生しており、その部分から吸い込まれた空気が復水器を介して気体廃棄物処理系の流量を増加させていたことを突き止めるとともに、割れを生じた原因として(1)付属小口径配管をクロスアラウンド配管逃し弁に取り付けるためのネジの谷部が、通常のネジに較べて鋭角に加工されていることから、割れが生じやすくなっていた(2)プラントの運転・停止の繰り返しによるクロスアラウンド管の熱変位により取付け部に応力が生じ、割れがネジ谷部から発生進展し、ネジ金属をほぼ貫通していた(3)7月21日の茨城県沖地震の地震力により開口し、隙間が生じた−と分析し、対策として当該の付属小口径配管を全て撤去し、それぞれ当該部位を止栓する作業を実施していた。 なお、同事象は資源エネルギー庁による国際原子力事象評価尺度 (INES) で、0マイナスと暫定評価されている。
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