[原子力産業新聞] 2000年8月10日 第2050号 <3面>

[米・DOE] 高速中性子束試験装置の利用再開を検討

米国エネルギー省 (DOE) は7月24日、ハンフォードにある高速中性子束試験装置 (FFTF) 利用再開の可能性も含め、米国内における民間原子力研究開発などの支援を目的とした「原子力インフラストラクチャー計画による環境影響評価報告書 (PEIS)」の草案を公表した。

PEIS 草案は、DOE が将来の宇宙探索用燃料や医療用および工業用のアイソトープ生産、民間原子力研究開発における使命を果たすために原子力研究施設のインフラを拡大した場合に環境に及ぼすと予想される可能性を分析したもの。具体的には DOE 施設内の設備の運転、新規研究炉の建設、新たな加速器 (1基か2基) の建設、92年以降休止状態にある FFTF の利用再開、NASA 字宙船の動力となる燃料生産に商業用軽水炉を利用−などの様々な案について評価。また逆に、インフラを拡大しなかった場合、すなわち新たな研究やアイソトープ生産を割愛し、NASA 字宙船用の燃料もロシアから購入した場合の影響についても DOE は評価を加えている。

DOE では7月28日から9月18日までの間、PEIS の案文に関して国内7か所で開催する公聴会などを通じて一般市民の意見を聴取する。11月に公表する最終的な環境影響評価書 (EIS) には出来るだけそれらを反映させるほか、9月に公表予定の EIS のコストと核不拡散影響について分析した報告書2件についても検討した上で12月にも最終方針を決定する計画だ。


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