[原子力産業新聞] 2000年8月10日 第2050号 <3面>

[ウラン鉱] カメコ社、カザフでウラン試掘

カザフ国営電力と JV

カナダの大手ウラン生産業者である CAMECO 社は7月24日、カザフスタン政府との交渉の結果、同社が6割を出資するジョイント・ベンチャー・インカイ (JVI) がカザフスタン・インカイ地区でウラン鉱の試掘を行うことになったと発表した。

JVI の残りの4割はカザフスタンの国営電力であるカザトムプロムが出資する。200万ドルを投じて試錐孔を掘り、ウラン鉱の探査と源位置リーチングを実施。ウラン鉱床の品位や物質特性、埋蔵量などを評価することになる。試掘で得られた技術的、経済的および環境に関するデータは本格的な採鉱に必要なフィージビリティ調査の準備に役立てる予定だ。

インカイ鉱床は3つのブロックで構成されており、80年代後半に旧ソ連が行ったブロック1の小規模テストでは、1億ポンドの U3O8 が確認されたとしている。また、ソ連と同じシステムを使った評価では残りのブロック2、3でも4億ポンドを超えるウラン鉱が埋蔵されているとの報告もある。

カメコ社は説明の中で、技術的な問題や環境、市場、規制上の条件がクリアできれば早ければ2004年にもブロック1での生産を開始できると明言。年間の実質的な産出量は260万ポンドに達するとの見方を示したほか、ブロック2の試掘によって埋蔵規模を試算したり同鉱床のウラン鉱がカナダの規制基準に適合するかについて十分な情報が得られるとの考えを表明した。


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