[原子力産業新聞] 2000年8月10日 第2050号 <4面> |
[東北電力] 東通1号が岩盤検査に合格建屋など主要工事に向け前進東北電力は2日、建設中の東通原子力発電所1号機について通商産業省の基礎基盤検査 (通称:岩盤検査) に合格した。 東通原子力発電所1号機 (BWR、出力 110万kW) は98年12月に着工し、2005年7月の運転開始を目指し、現在、発電所本館基礎工事、復水器冷却用水路工事、循環水配管据付工事、港湾工事等の工事を継続しており、7月末の総合工事進捗率は約16%となっている。 今回行われた基礎基盤検査は、原子炉絡納施設の基礎掘削が完了した段階で、基礎岩盤の使用前検査を受けるものであり、具体的には、基礎岩盤の地質・強度等について検査を行い、原子炉格納施設の基礎岩盤として十分な強度を有していることの確認を目的に行われた。 今回の検査合格により、東通原子力発電所1号機の基礎岩盤が、こうした観点から、十分な強度を有していることが確認されたことになる。東北電力は今後、2005年7月の運転開始に向け、原子炉建屋工事、および原子炉格納容器・原子炉圧力容器の据付け等の主要工事を順次進めていく。 東通原子力発電所1号機は改良標準化計画の成果を積極的に導入し、信頼性が高く、定期検査期間の短縮化を可能とし、作業員の被曝線量低減にも寄与する技術が導入されている。このうち、保守性の向上には原子炉補機冷却系やタービン補機冷却系等の熱交換器を収容するとともに、海水ポンプを収容することにより、配管の長さを縮める海水熱交換器建屋を採用している。また、作業員の被曝線量低減、作業効率の向上等を図るため女川原子力発電所2・3号機同様に容積の広いマークI型の改良型原子炉格納容器を採用している。さらに原子炉建屋の空間スペースの有効利用を図るため、原子炉建屋内に復水貯蔵槽を設置、燃料には、燃料集合体最高燃焼度を従来より高めることで一定期間の運転に必要な取替燃料の数を減らし、使用済燃料の発生量の低減を図った9×9燃料を採用している。このほか定格出力運転中に、発電機負荷遮断が生じた場合でも、原子炉を停止することなく所内単独運転に移行させるために、タービンバイパス容量を定格蒸気流量の約100%としたシステムを採用している。
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