[原子力産業新聞] 2000年8月10日 第2050号 <4面>

[NSネット] JNF対象にピアレビュー実施

効果的教育に工夫を

ニュークリアセイフティーネットワーク (NS ネット) は、その活動の柱である「相互評価 (ピアレビュー)」の第3回目を6月6〜9日にかけて行い、結果をこのほど公表した。

第3回目となる今回は、神奈川県横須賀市の日本ニユクリア・フユエル (JNF) が対象。施設の組織・運営、緊急時対策、教育・訓練を始め、運転・保守、放射線防護、重大事故防止の分野で調査を行った。

対象となった日本ニユクリア・フユエルは1967年の発足以来、沸騰水型原子炉用燃料 (BWR 燃料) の製造を主に手がけるメーカー。今年1月には Global Nuclear Fuel 社のもとに統合され、併せて株主会社である日立製作所の燃料設計・開発部門を統合し、新しい経営体制となっている。

調査の結果、レビューチームは「直ちに改善措置を施さなければ重大事故に繋がるような項目は見いだせず」「同社の管理職層および従業員が一体となり、原子力安全確保を継続・強化していくために真剣に取り組んでいる実態が確認された」と結論付けるとともに、(1)倫理規範としての「インテグリティ」を定め、企業活動の行動基準を明確にすることにより、全従業員の遵法意識および倫理の向上が期待される(2)製造および検査設備に対して設備認定制度があり、新設備導入時のほか休止後の再使用、移設ないし修理、改造を実施する場合にも、設備認定が確実に実施されている(3)研削工程を含めたすべての製造工程が乾式となっていること、一部が湿式になっている回収工程においては、全湿度臨界安全形状が採用されていることにより、確実な臨界防止措置がとられている−を良好事例として挙げている。

一方、操業の安全性をさらに向上させるための提案として「臨界事故の教訓を風化させることなく従業員に伝承させるよう、効果的な教育手法を工夫すること」などを行った。


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