[原子力産業新聞] 2000年8月24日 第2051号 <1面>

[東京電力] 福島第一・3、MOX燃料体検査に合格

プルサーマル計画が前進

東京電力が福島第一・3号機で開始を予定しているプルサーマル計画について、東電は10日、通産省に対して昨年8月5日に申請していたウラン・プルトニウム混合酸化 物(MOX) 燃料輸入燃料体検査の合格証を受領したことを明らかにした。

東電は昨年9月27日に、ベルギーのベルゴニュークリア社製 MOX 燃料32体を福島第一原子力発電所に搬入し、プルサーマル計画の開始に備えていた。しかし関電・高浜発電所用英国 BNFL 社製 MOX 燃料の一部データに不正のあったことが発覚したことから実施の延期を決定した。

その後通産省の指示により、念のためベルゴニュークリア社に調査員を派迫し、品質に問題のないことを確認して、結果を通産省などへ報告するとともに、新しい燃料体検査制度の主旨を踏まえて、1日には同省へ、品質保証に関する説明書を提出していた。

今回、検査の合格証受領を受けて東電は、すでに一昨年の11月に福島県、大熊町ならびに双葉町といった地元自治体から事前了解を得てはいるが、「引き続き安全確保を何よりも最優先して、地元の方々をはじめとする皆さまのご理解をいただきつつ、プルサーマル計画を着実に進めていきたい」という方針を発表している。


平沼赳夫通産大臣は15日の閣議後の会見で、「福島第一原子力発電所でのプルサーマル開始について、福島県が慎重な姿勢を示しているが」との記者団からの質問に対して、「福島県としてはいろいろな状況の中で慎重な姿勢をとるというのは、ある意味理解できる」とした上で、「プルサーマルについては、もう全く問題がないということで、通産省としてもゴーサインを出したところ。我々としては必要があれば説得をさせていただきながら、進めてまいりたいという基本的な姿勢だ」と述べ、東電のプルサーマル計画実現に向けて、省をあげて取り組む姿勢を表明をした。


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