[原子力産業新聞] 2000年8月24日 第2051号 <3面> |
[カナダ] AECL、MOX 試料の「空輸」希望余剰プル処分実験用3日付けの報道によると、カナダ原子力公社 (AECL) は MOX 燃料の燃焼実験に使う試料をロシアから輸送するにあたり、前回の米国からの輸送と同じく空路を使いたいとして公聴会に提案書を提出した。 MOX 試料の輸送は、米国とロシアの核解体から出る兵器級余剰プルトニウムを処分する選択肢の一つとして、カナダの CANDU 炉で燃焼する実験のために行われる。当初の計画では、ロシアからの MOX 試料はカナダ東海岸の大西洋からセントローレンス川を逆上り、モントリオール近くのコーンウォールまで水上輸送。その後、首都オタワの北西140kmに位置する AECL のチョークリバー研究所 (CRNL) まで陸路で運ばれることになっていた。しかし、1月に米国から MOX 試料を輸送した際はロスアラモス研究所から CRNL まで直接、空輸する方法が取られており、AECL では今回も同様の輸送方法が好ましいとして一般市民の意見を聴取することに決めたもの。公聴期間は今月一杯となっている。 カナダのR.グッデイル天然資源相は、「プル燃焼実験の実施は決して我が国の CANDU 炉における大規模な MOX 燃料利用を強いるものではない」と強調。ごの伜に関していかなる決定を下す際にも米ロ両国からの正式な要請が必要であると言明した。また、実際に要請がなされたとしても、カナダ国民の利益が守られるよう、また、環境や住民の健康と安全が保障されるよう、カナダの法に則って厳しい条件が課されることになるとの見解を示した。
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