[原子力産業新聞] 2000年8月31日 第2052号 <1面>

[資源エネ庁] 炉規制法改正で発電所保安検査が開始

北電・泊発電所ほか3か所で

通産省・資源エネルギー庁は23日、実用発電用原子炉を対象とした保安規定の遵守状況に関する検査の実施を発表。28日から来月15日まで、第1回目検査を北海道電力・泊発電所ほか計3か所で開始した。

改正原子炉等規制法では、それまで原子炉設置者に対して法令上遵守義務を課すのみであった保安規定について、遵守状況の検査 (保安検査) を定期的に行うように改められている。今回の調査はこれに基づいて行われるもので、第1回目の検査は28日〜9月15日と、9月4日〜同月22日までの2組に分けて、合計17発電所で実施される。なお、調査は年間4回実施される予定だが、今年度に限っては法の施行が7月だったため、3回の実施になるという。

検査を行うのは、全国のサイトに配置された原子力保安検査官および通産省の原子力保安検査官で、保安管理休制、運転管理、教育訓練、燃料管理、放射性廃棄物管理などといった項目について立入り、物件検査、関係者質問などを行うが、特に今年度は、東海村・JCO 施設での臨界事故の教訓を踏まえて、運転管理および保安教育訓練について重点的に行われる。

具体的には、保安規定に定められた内容について運転日誌や当直長の引継ぎ日誌などの記録を検査するほか、中央制御室、点検作業現場などにおける現場確認、従業員に対する質問を行うことにより(1)運転管理については、必要に応じて適切な手順などが定められ、かつ保安規定および手順などに基づき作業が行われているか(2)従業員に対する保安教育の実施状況および、保安教育の内容が適切に行われているか−などを確認する。

なお、10月〜12月のうちに第2回目の検査を、来年1月〜3月のうちに、第3回目の検査が行われる予定だ。


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