[原子力産業新聞] 2000年9月7日 第2053号 <2面> |
[原産] 原動研、年会を開催日本原子力産業会議の原子力動力研究会 (会長・大山彰東京大学名誉教授) は8月25日、東京・新橋の原産会議室で第37回の「年会」を開催した。 冒頭、大山会長は挨拶の中で、昨年の「年会」開催からわずか1か月後の9月30日に東海村で臨界事故が起こったことや、この事故を受けて、原動研としても自発的にグループの主査有志を講師とするセミナー「JCO 事故を考える会」を2月に開催し、多くの教訓を学んだことなどを振り返った。これを踏まえ、同会長は、新世紀に原子力が十分な役割を果たすためには、安全確保の努力、正しい原子力知識の普及とともに若手技術者による技術の継承が必要であると語り、今後の原動研の活動に期待を表した。 引き続き、9つのグループが各々研究成果を報告した後、岡芳明東京大学大学院教授が「原子力技術の将来展望」と題して特別講演を行った。 岡教授はその中で、「我が国の原子力発電は多様な炉型の開発経験を有しているほか、核燃料製造技術や運転保守技術、情報処理技術も世界のトップクラスにある」「原子力も他の産業と同様、変化に積極的に対応し新しい道を切り開くための意識が必要」と指摘した上で、今後は最先端の原子力技術を活用して世界をリードする必要があり、原子力の革新的な技術開発を追求していかなければならないと訴えた。 さらに同教授は、大学の原子力工学を取り上げ、「理学と工学の境界領域にある原子力工学は工学の中でもよい位置にある。21世紀は応用科学の時代であろうから、大学における原子力工学も経験的な工学から演繹的な工学に転換を図っていくべき。従来より良いモデルを用いて定量予測性の向上を目指したモデリング工学を提案したい」との考えも披露した。
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