[原子力産業新聞] 2000年9月7日 第2053号 <3面>

[米国] 共和党、党綱領で原子力重視

クリーンさを強調

8月に米国で行われた共和党の党大会で、科学的根拠に基づいた環境規制を訴えるとともに温室効果ガスを出さない主要なエネルギー源として原子力の重要性を認める綱領が採択されていたことが判明した。

11月に大統領選を控えた党大会の綱領で、共和党は水力と並んで原子力を米国におけるクりーンな主力電源と位置づけており、エネルギー・セキュリティと燃料の多様化が重要だと言明。「民主党の現政権は原子刀と水力という温室効果ガスの排出がゼロで、国の総発電電カ量の3割を賄う電源に背を向けている」と指摘したほか、連邦政府がこれらの認可更新に積極的でないがために国民は温室効果ガスと汚染した大気の増加に直面していると非難した。また、経済成長と環境保護の2つは等しく進めていく必要があり、そのための規制は国民が厳しく審査した最高レベルの科学に基づいて実施されねばならないと強調している。

米原子力エネルギー協会 (NEI) のJ.ケイン政府問題担当副理事長は共和党のこのような綱領を称賛するとともに、「政策立案者が原子力と水力の環境面における利点やクリーンな電源ミックスの多様化における貢献度を認識していることは好ましい」との見解を示した。

同副理事長はまた、経済成長を維持しながら今後10年間で50〜75%の増加が見込まれる電力需要を満たすには、原子力発電が唯一、容量の拡大が容易で清浄な大気を約束する大規模電源であるとの見解を明示。「健全なエネルギー政策というものは、クリーンで信頼性と競争力があり、我々の環境改善や経済成長にも効果的な技術を最大限に活用する方向に向かうべきだ」と強調した。


Copyright (C) 2000 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.
Copyright (C) 記事の無断転用を禁じます。