[原子力産業新聞] 2000年9月28日 第2056号 <3面> |
[スウェーデン] バーセベック2号機閉鎖は当面延期代替電源問題がネックにスウェーデン政府は19日、2001年7月に予定されていたバーセベック原子力発電所2号機 (61万5,000kW、BWR) の早期閉鎖は当面先送りするとの見解を明らかにした。 この判断はG.ぺーション首相が同日、議会で述べたもので、「当初の予定どおりに2号機を来年夏に閉鎖するのは難しい」とするB.ローゼングレン貿易相の意見を受けて下された。2号機の閉鎖について同貿易相は、同発電所の早期閉鎖を決めた97年の主要3政党の政治的合意に基づき、「代替電源の確保などエネルギー政策上のすべての必要条件が満たされた場合にのみ実行されねばならない」と指摘。現時点では実行可能性が低いとの考えで左翼党、中央党および政府与党の社会民主党が同意したことを認めている。延期後の新たな閉鎖日程について公式には何も明らかにされていないが、左翼党および中央党の党首達は「2002年秋の総選挙前」と言うことで見解が一致していると伝えられている。 バーセベック発電所の1号機 (61万5,000kW、BWR) は昨年11月、閉鎖に伴う温室効果ガスの排出量増加を懸念する声が国民の間で高まるなか、当初予定から1年半遅れで閉鎖された。ぺーション首相は「来年1月から半年間にわたって欧州連合 (EU) の議長国を努めるスウェーデンにとって、環境保全は拡大 EU 問題や失業対策と並ぶ優先課題になるはず」と明言。今年始めに公表されたデータでもスウェーデンが1号機閉鎖に伴う電力不足をデンマークの石炭火力で補っていることが明らかになっていたため、閉鎖の見送りを決めたと示唆している。
Copyright (C) 2000 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.
Copyright (C) 記事の無断転用を禁じます。
|