[原子力産業新聞] 2000年9月28日 第2056号 <3面>

[ウクライナ] チェルノブイリ発電所、12月15日に永久閉鎖

代替炉完成支援と引替え

パリのエリゼ宮で首脳会談を行っていたウクライナと欧州連合 (EU) は15日、ウクライナが3号機 (100万kW、RBMK) の残っていたチェルノブイリ原子力発電所を今年の12月15日に永久閉鎖することを確約する一方、EU は代替電源としてロブノ4号機とフメルニツキ2号機 (各100万kW、PWR 2基) の完成計画 ( R4/K2 ) に EU のユーラトム基金および欧州復興開発銀行 (EBRD) を通じて融資を約束するという共同声明を発表した。

現在、半年交代の持ち回りで EU 議長国を努めているフランスのシラク大統領はウクライナによるチェルノブイリ発電所の閉鎖を「勇気ある決断」と褒めたたえるとともに、今後も原子力発電を保持していくという同国のエネルギー政策に対して理解と敬意を表明した。

首脳会談のためクチマ大統領を訪仏させたウクライナ側は共同声明の中で、同国が今後、エネルギー部門の改革に向けて、特に配電会社の民営化と料金徴収の改善、独立した原子力規制機関の確立、およびエネルギー効率の改善を目指してさらなる措置を講じていくことを宣言。その見返りとして EU 側は、同国の代替電源設備およびその他のエネルギー関連プロジェクトに対して最低利の財政融資などで支援を継続していくと明言している。


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