[原子力産業新聞] 2000年9月28日 第2056号 <6面>

[日立製作所] 大型モジュール工場など完成

埠頭工場内に整備

日立製作所が茨城県日立市の日立港第4埠頭内用地内に建設を進めてきた埠頭工場「原子力大型モジュール工場」と「火力・原子力発電プラント用タービン機器工場」が完成し、25日に稼働を開始した。総工費は約30億円。

これら工場は港に直結しているため、従来の陸上輸送のように部品を数十トン程度のブロックに組み立てて発電所の建設現場で大掛かりな組み立て作業を行う必要がなくなり、工場内で百数十トンから300トン級の大型ブロックに仕上げた上での一括輸送が可能。このため、陸上輸送に伴う輸送費や保管費の削減、工期短縮が期待できるとともに、安定した品質管理が可能となる。

海外や国内各社の価格競争が一段と激化する中、大型ブロック化への対応や工期短縮、輸送費の削減、生産の効率化などコスト削減を図り、競争力を強化することが重要課題となっている。中でも復水器は大型ブロック化による工事短縮やコスト削減が求められている。

埠頭工場のうち「原子力大型モジュール工場」は、原子力発電所用大型製缶品等を製造する。面積は4,352平方メートルで、50トンの天井クレーン2機と3トンの壁走行クレーン6機などを設置。「タービン機器工場」は、原子力発電プラント・火力発電プラント用復水器等を製造。面積7,680平方メートルで、30トンの天井クレーン4機、管板穿孔機、溶接設備などを備えている。


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