[原子力産業新聞] 2000年10月5日 第2057号 <1面> |
[原子力安全委] 専門部会を再編成「安全目標」審議の場設置原子力安全委員会は、総合的で効果的な調査審議体制を構築するとともに新たな課題に適切に対応していくため、専門部会を再編成する。今回同委員会は、(1)原子力安全に関する総合的な調査審議の実施(2)原子力安全基準の検討・見直しと審議指針への適切な反映(3)安全研究の計画的・総合的な遂行(4)原子力事故・災害への適切な取り組み−等を柱とし再編を実施。原子力安全を取り巻く環境の変化の中で一層の安全確保を目指す。 原子力安全委員会は9月28日の会合で、新部会の設置ならびに従来の部会の廃止を含め、16ある専門部会等を対象に再編を行うことを決定した。今後も調査審議状況に応じて専門部会の編成について適宜見直しを行う考え。各専門部会は、別途指名する安全委員および専門委員から結成する。また、必要に応じて、部会の議決により分科会を開くこととし、機動的かつ効果的な調査審議を行うとしている。 専門部会の設置・廃止は以下のとおり。 「原子力安全総合専門部会」 原子力安全の確保に関する政策事項について総合的な調査審議を行うため、(1)放射性廃棄物の安全規制(2)放射性物質の輸送に係る安全(3)原子力事業者の技術的能力に係る規制(4)アクシデントマネージメント(5)原子力施設解体に係る安全(6)原子力施設の高経年化対策(7)リスク評価−などについて審議する。これに伴い、「原子炉安全総合検討会」「原子力施設解体専門部会」「放射性物質安全輸送専門部会」は廃止され、「放射性廃棄物安全規制専門部会」は、高レベル放射性廃棄物の処分に係る安全規制の基本的考え方に関する調査審議が終了した時点で廃止となる。 「安全目標専門部会」 今年1月の安全委員会決定を受け準備が進められてきたもので、「安全目標」に関する調査審議を行うため、設置される。確率論的安全評価等を活用した定量的な目標を含めた安全目標に関して必要な事項について調査審議を行う。 「放射線障害防止基本専門部会」 原子力利用に伴う障害防止の基本に関する事項や環境放射線モニタリングに関する事項等を調査審議するための部会で、以下の事項について調査雷議を行う。(1)放射線障害防止の基本および放射性同位元素等に係る安全確保(2)原子力施設周辺の地域で実施される環境放射線モニタリングおよび総合的放射能水準の調査に関すること。「放射性同位元素等安全規制専門部会」「環境放射能モニタリング中央評価専門部会」は廃止。 「原子力安全基準専門部会」 (1)原子炉、核燃料施設、中間貯蔵施設その他原子力施設に係る基準・指針(2)放射性廃棄物に係る基準・指針−を検討する。「原子炉安全基準専門部会」「核燃料安全基準専門部会」「放射性廃案物安全基準専門部会」は廃止する。 「原子力安全研究専門部会」 (1)原子力安全研究年次計画の策定(2)原子力安全研究年次計画の遂行状況(3)原子力安全研究の評価−などを調査審議対象とする。「原子力施設等安全研究専門部会」「環境放射能安全研究専門部会」は廃止。 「原子力事故・故障調査専門部会」 国内外の原子力事故・故障に関する調査等を行うため、(1)内外の原子力事故・故障の分析・評価に関すること(2)原子力安全委員会から指示のあった特定の事故・故障の原因究明および対策の評価に関すること−が調査審議される。「原子力施設事故・故障分析評価検討会」は廃止となる。
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