[原子力産業新聞] 2000年10月5日 第2057号 <3面> |
[フランス] 原子力安全研、被曝線量計の精度で報告書フランス政府の原子力安全防護研究所 (IPSN) は先月始め、電離放射線防護本部 (OPRI) と共同で実施した個人用被曝線量計の品質に関する調査報告書をとりまとめ、「線量計の種類により精度にばらつきがあるため、線量計の品質を管理できるような手続きを早急に策定すべきだ」と勧告した。 この調査は96年5月の放射線防護に関する EU 指令に基づき、電離放射線による外部被曝にさらされている欧州の原子力関係従業員達の被曝線量計測方法を徹底的に審査するため、欧州放射線線量計測グループ (EURADOS) の後援のもと、96年から始められていたもの。 審査はあらゆる種類の線量計約1,000個をサンプルに、ガンマ線やベータ線、中性子線、エックス線など異なる種類の放射線を使って一定の条件下で行われた。報告書はその結果、「非常に数多くのベータ線および中性子線計測器が実際の線量より低めの値を示した」とする一方、「逆に実際よりも高い数値を示した物もいくつかあった」と指摘。欧州の個人被曝線量計の品質が一定になるよう、審査手続きを早急に設定すべきだと勧告するとともに、ベータ線による皮膚の被曝、中性子線による体全体の被曝評価用の線量計については特に、一層精度の高い機器の開発に力を傾注するよう促した。
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