[原子力産業新聞] 2000年10月19日 第2059号 <2面>

[NSネット] 福島第一でレビュー

原子力発電所で初の実施

ニュークリアセイフティーネットワーク (NSネット) は17日から、初の原子力発電所を対象としたピアレビューを実施している。

ピアレビューは、東海村・JCO 施設の臨界事故を教訓として、原子力の安全文化の共有化・向上を図ることにより、原子力に対する信頼を回復するために関係する35の企業および研究機関で昨年12月に設立した NSネット の活動の柱となる制度で、世界原子力発電事業者協会 (WANO) のピアレビュー手法などを参考として、原子力安全に関する会員間の共通課題について、会員の専門家により構成したチームが会員の事業所を相互訪問し、課題の摘出および良好事例の水平展開などを行う「相互評価」を実施する。NSネットではこれまで、燃料加工施設を中心に5回実施してきた。

今回初めてピアレビューの対象となる原子力発電所は、東京電力の福島第一原子力発電所。三菱重工業、電源開発、北海道電力、日本原子力研究所、三菱原子燃料、NSネットの6名からなるレビューチームが、17〜20日の日程で組織・運営、緊急時対策、教育訓練、運転・保守、放射線防護などについて評価を実施する予定。結果については同ネットホームページ (http://www.nsnet.gr.jp) で公開される。

なおピアレビューの今後の予定としては、年度内に日本原子力発電・東海第二発電所など、今回のものも含めて計6か所の原子力発電所で行われることとなっている。


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