[原子力産業新聞] 2000年10月19日 第2059号 <3面>

[フランス] ダンピエール原発で安全性改善勧告

労働意欲の低下指摘

フランス原子力施設安全局 (DSIN)のA.ラコステ局長は2日、オルレアン郊外にあるダンピエール原子力発電所 (各93万7000kW、PWR 4基) では「従業員の労働意欲の低下がトラブルの発生を増長している」と指摘し、同発電所を強力な監視体制下に置いたほか、しかるべき改善措置が取られない場合は強制閉鎖もあり得るとの強い態度を示した。

この声明はラコステ局長が9月28日に同発電所を視察した後に出された。同局長によると、所内における労使の関係悪化が操業時の労働意欲を著しく低下させており、発電所の安全運転にも影響が出ている。実際、同発電所からは過去数年間にわたって設備の不具合が多く報告されており、うち1件は国際原子力事象評価尺度 (INES) でレベル2の評定を受けている。9月初句には、仏原子力公社 (EDF) が5月に行った内部安全監査の結果を受けて、G.グレーラ所長は組織構造の刷新など発電所の運転効率改善を目指した行動計画を地元の情報委員会 (CLI) に提示していた。

直接ダンピエール発電所の状況を確認したラコステ局長は「特定の監視・管理方法で複数の誤魔化しがあった」と指摘しており、それらが改善されず安全性に問題が生じるようであれば施設の閉鎖も含めて必要な措置を講じる用意があると断言している。


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