[原子力産業新聞] 2000年10月19日 第2059号 <3面>

[仏-中国] 大亜湾原発、仏製の緊急警戒システム設置へ

フランスの原子力安全防護研究所 (IPSN) は3日、フラマトム社が中国に建設した広東・大亜湾原子力発電所 (98万4000kW、PWR 2基) に同研究所が開発した緊急警戒システムを来年秋にも設置することになったと発表した。

このシステムは「SESAME」と呼ばれるソフトウエアで、同発電所と建設中の広東・嶺澳発電所 (各100万kW、フラマトム社製 PWR 2基) を所有する広東核電合営有限公司 (GNPJVC) が IPSN と結んだ技術協定に基づき大亜湾発電所の緊急時センターに装備されることになる。原子力事故が発生した際、同システムは関連施設の技術的なパラメータに基づいて大気中に放出される放射性物質の量や放出のタイミングなどを自動的に計算。発電所関係の専門家達が地元住民に軽快を促したり、彼らを防護する手段を迅速に決断する一助になると期待されている。

IPSN は現在、フランスのフォントネ・オ・ローゼスにある原子力研究センターで10か月間にわたって SESAME の調整を行っているところで、この間にも必要なソフトウエアは中国の原子力安全当局およびその原子力安全センターに供与される予定だ。


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