[原子力産業新聞] 2000年10月19日 第2059号 <4面>

[中国電力] 島根原発−耐震面、十分に裕度

鳥取県西部地震で

中国電力は13日、6日に発生した烏取県西部地震に際して島根原子力発電所で観測された地震動等の数値を公表し、今回の地震動に対しては同発電所の耐震設計が十分な裕度を持っていたとの解析結果を明らかにした。

中国電力によると、島根原子力発電所の耐震設計は「880年の出雲の地震」 (マグニチュード=Mは7.4、震央距離 (震央位置と敷地、あるいは観測地点との距離が23.8km) に余裕をみたM7.5の地震を設計用限界地震 (過去5万年の間に活動した活断層や地震地体構造から考えられる最大の地震及び直下地震=M6.5を考慮して設定する地震)に考慮しているが、今回の地震はM7.3、震央距離約45kmであり、これを下回るものだった。

また、今回の地震による発電所 (原子炉建物基礎上) での揺れは、震源からほぼ同程度の距離にある鹿島町 (役場=普通地盤) における揺れに比べ、3分の1程度となっており、岩盤上に原子炉施設を設置している効果が現れているとしている。

原子力発電所の耐震設計については一般に通常の建物の3倍の強度が求められている。


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