[原子力産業新聞] 2000年10月26日 第2060号 <1面>

[電調審] 泊3号を基本計画に組入れ

2008年の運転開始めざす

第144回電源開発調整審議会が20日開かれ、北海道電力が計画している泊原子力発電所3号機 (PWR、91万2000kW) が12年度電源開発基本計画に組み入れられた。これにより、同3号機は正式に国の電源計画として着手されるたことになり、今後原子力委員会、原子力安全委員会の安全審査が本格化する。その間に原子力安全委員会が主催する第二次公開ヒアリング等を経て、着工という段取りになる。着工は2003年4月を予定、2008年の営業運転開始をめざす。


この日の電調審では、事務局から、今回新規着手地点として電源基本計画の変更が行われ、組み入れ対象の中部電力の易老沢水力地点、東京電力の五井火力ガス圧力差1号地点及び北海道電力の泊3号地点について、計画概要等の説明が行われた。泊3号地点については北海道知事から、それぞれ意義ない旨の回答を得ていることが報告された。但し、北海道知事から付帯意見として、(1) 原子力行政 (2) 原子力の安全確保 (3) 原子力防災等の充実 (4) 環境保全対策 (5) 情報の公開 (6) 原子炉の廃止措置対策の確立 (7) 省エネルギー・新エネルギー対策の推進 (8) 地域振興策の拡充強化 (9) 風評被害対策について、国の適切かつ的確な措置が講じられることを強く要望する旨の意見が付された。これについては事務局から、電調審に先立つ幹事会で、基本的に前向きな回答が関係省庁から得られていることが報告された。この後審議の結果、同電源開発基本計画変更 (案) が原案どおり了承され、同日付けで内閣総理大臣に答申された。

泊3号機は1996年10月に北海道電力から地元北海道および関係町村に対し、環境影響調査実施を申し入れが行われたもので、同12月から環境影響調査が開始された。その間の97年2月には北海道が「北海道エネルギー問題委員会」を設置して検討に着手、その後の98年3月には環境影響調査が終了、同7月に北海道電力が北海道および関係町村に対し、泊発電所3号機増設を申し入れた。その後、北海道電力では同立地計画への説明会を開催し、99年6月に国の主催する「第一次公開ヒアリング」開催にこぎつけた。同6月には国と北海道が地元の意見を聞いた上で、同9月に北海道が「北海道エネルギー問題委員会」の審議を終了、北海道知事へ答申を行った。

今年3月には北海道が「道民のご意見を聴く会」を開催し、道民の考え方を聞いた上で同9月には北海道知事が受入れを表明、国に対して「泊3号機計画についての回答書」を提出していた。


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