[原子力産業新聞] 2000年10月26日 第2060号 <1面>

[設立] 高レベル処分実施主体「原子力発電環境整備機構」が発足

理事長に外門一直 東電顧問

通産省は18日、特定 (高レベル) 放射性廃棄物最終処分の実施主体である「原子力発電環境整備機構」の設立を認可し、同機構は同日をもって、正式に発足した。同機構は今後、最終処分地の概要調査地区の選定及び、処分地の決定、処分の実施、処分施設閉鎖後の管理といった、一連の特定放射性廃棄物処分事業をスタートさせることとなる。東京電力顧問の外門一直氏が就任した。

原子力発電環境整備機構は、特定放射性廃棄物を地層処分により最終処分することを定めた法律「特定放射性廃棄物処分法」に基づき電力会社などが設立したもので、今年9月14日に設立発起人会が行われ、10月4日には設立認可申請がされるなど、設立に向けた準備は着々と進められていた。

整備機構に与えられた法人格は、民意の発意により設立され国が認可する「認可法人」。体制は外門理事長のほか、副理事長には黒田明雄氏が就任し、このほか役員としては理事6名、幹事2名を置き、当初は25名体制でスタートする。事務所は東京・港区の芝に置かれた。

特定放射性廃棄物処分法では、機構の役割として (1) 概要調査地区などの選定 (2) 最終処分施設の建設および改良、維持その他管理 (3) 特定放射性廃棄物の最終処分 (4) 処分終了後の施設が所在した区域の管理 (5)電力などからの拠出金の徴収−などが定められており、これら事業を安全の確保を旨として、適切な情報公開、概要調査地区なども含めた周辺の地域住民の理解と協力を得るよう努めることなどを求めている。

なお同処分法案では、今回発足した「処分実施主体」の他に、電力など発電用原子炉設置者から徴収した拠出金の運用・管理については、別途通産大臣が指定する「資金管理主体」が管理を行うことを定めている。資金管理主体は、第1回拠出金の徴収が行われる目標とされている来年初頭に間に合わせるべく、通産省による年内の指定を目標に、準備が進められている。


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