[原子力産業新聞] 2000年10月26日 第2060号 <12面>

[医療機器] 無菌ストレッチャー、放医研に納品

医療機器メーカーの日本光電 (萩野和郎社長、新宿区西落合) は三菱自動車工業 (河添克彦社長、港区芝) との協力により、被ばく患者搬送用救急車を千葉市にある放射線医学総合研究所に納品した。

昨年9月の JCO 臨界事故の教訓などから、被ばく患者が発生した場合に適切に患者の搬送を行うことができる、無菌ストレッチャーおよび無菌ストレッチャーの搬送が可能な救急車が求められていた。

今回納入した救急車は、三菱自動車の高規格救急車をベースに、日本光電から昨年12月に発売された患者搬送用の無菌ストレッチャー「クリーンストレッチャー TCS-2」を搭載したほか、心電図や血圧の観察ができるように仕様したもの。これにあわせ心電図波形や血圧値、音声などをデジタル伝送するモニタリング装置なども納入された。

このストレッチャーは帯電防止加工を施した透明な塩化ビニール製で、天井は曲面デザインになっており、搬送される患者に与える圧迫感が少ないほか、使用後の消毒処理がしやすいなどの特徴がある。扉は両サイドの跳ね上げ式を採用、左右どちら側からでも患者を収容できるうえ、操作手袋のついた操作孔が二組ずつあり、医療行為を行う搬送にも対応可能。また、排気口には高性能フィルターを使用し、0.1〜0.2ミクロンの粒子の捕集率99.999という高精度捕集率を実現している。


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