[原子力産業新聞] 2000年10月26日 第2060号 <2面>

[サイクル機構-原燃] 技術協力協定を調印へ

核燃料サイクル開発機構と日本原燃は11月1日にウラン濃縮に係わる技術協力協定に調印する。

従来、サイクル機構と日本原燃との間で結んでいたウラン濃縮に関する技術協力協定を見直し、濃縮工場の第二期後半分に導入される新型の遠心機開発にあたって、新たな技術協定を結ぶもの。

日本原燃ではすでに、今月6日に今後のウラン濃縮事業の方針を公表し、ウラン濃縮用の新型遠心分離機の開発に着手することを明らかにしていた。

新型の遠心機開発にあたっては、核燃料サイクル開発機構、原燃マシナリー株式会社および同社の技術者を結集して、六ヶ所に「ウラン濃縮技術開発センター」を今年11月1日に設立する。今回、このセンター設立とともに、両者の新たなパートナーシップが結ばれることになる。

なお、開発センターには、これまでの遠心機開発の成果、知見を集約して、現在、六ヶ所に建設中の研究開発棟を我が国の濃縮技術開発の拠点とし、新型遠心機の開発に全力で取り組む方針だ。人員として核燃料サイクル開発機構、原燃マシナリーおよび日本原燃から、濃縮に関する専門技術者を結集する (開発要員は、約60名)。

施設は日本原燃の濃縮・埋設事業所/ウラン濃縮工場敷地内に置き、濃縮技術開発に必要な設備を備えた国内唯一の民間施設としての装備を整える。

主要設備としては試験設備、カスケード試験設備、連続運転試験設備、単機試験設備、材料試験設備などが建設中。

研究開発棟は98年8月に着工しており、竣工予定が今年の12月となっている。

日本原燃では、既設の遠心分離機について、現在行っている分解調査による知見を反映するとともに、引き続き運転長期化のための諸方策を検討し、新型遠心機による生産体制への円滑な移行を図ることにしている。

同社では、これまでの高度化機開発での反省も踏まえ、今後は安全性の確保はもとより、長期信頼性の達成を最重点と考え、開発体制を強化した上で、構成要素試験に2年程度、棊本仕様の確証試験に4年程度、基本仕様の確証試験に4年程度、その後4年間程度で実証試験、最終的な導入判断、許認可取得、建設工事を進め、2010年頃を目途に新型遠心機による生産を開始し、10年程度をかけて1,500トンSWU/年規模の達成を目指す。


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