[原子力産業新聞] 2000年10月26日 第2060号 <3面>

[中国] 原子力の必要性強調

[北京10月17日発新華社=中国通信]

中国核工業集団公司の李定凡社長は北京で開かれていた「2000年・国際エンジニアリング会議」で報告書を提出し、21世紀に中国が持続可能な発展を遂げていく上で原子力発電の果たす役割は非常に重要で不可欠なものだとの考えを強調し、次のように述べた。

中国ではウラン資源が比較的豊富で、かなりの規模の原子力設備の需要に対応できる。また、中国の発展はクリーン、安全かつ経済的なエネルギーと切り離しては考えられず、原子力発電はそうしたエネルギーの一つと言える。半世紀の開発を経て原子力発電技術は非常に成熟し、安全で経済的であることが証明されている。

中国の電力需要は規模が膨大なため、2020年までに新規で5億kW の発電設備容量が必要と見込まれている。しかし、石炭火力と水力の資源は分布バランスが悪く、石炭埋蔵量の約90%が北部に、開発可能な水利資源の68%が西南地区にある。経済が発達した東南沿海地区では通常のエネルギーが不足しており、原発でその不足を補うことができる。原子力は温室効果ガスを排出せず、大気汚染を招く心配がないため、その設備を拡大することは日増しに深刻化している環境汚染と地球温暖化の緩和にも意義があると考える。

中国の電源開発において原子力は「適度に開発すること」が基本方針となっており、将来のエネルギー開発でも一角を占める予定だ。


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