[原子力産業新聞] 2000年11月9日 第2062号 <1面>

[サイクル機構/日本原燃] 技術協力協定を締結

新型ウラン濃縮機開発へ

核燃料サイクル開発機構と日本原燃は1日、1985年に締結した技術協力協定を見直し、サイクル機構が従来開発を進めてきた先導的遠心分離機の技術情報の活用等を円滑に進めるため、新たな技術協力の確立に向けた「ウラン濃縮施設の建設、運転及び技術開発に関する技術協力協定」を締結した。

同時に原燃は、青森県六ヶ所村の濃縮・埋設事業所内に「ウラン濃縮技術開発センター」を設立し、ウラン濃縮事業全般を担う新体制の下で自らウラン濃縮技術の開発を行い、サイクル機構が開発してきた濃縮技術を受け継ぐとともに、高度化機開発等のこれまでの遠心分離機開発の成果、知見を集約して、新型遠心機の開発に全力で取り組むこととなった。

一方、サイクル機構はウラン濃縮技術の開発に関する事業を整理し、これまでの研究開発成果が最大限に活用されるように成果を取りまとめて、国際競争力のある遠心機開発等のウラン濃縮技術開発を原燃が行うために、先導機等の開発成果の移転、施設の利用、人的協力等の技術開発への支援を行う技術や人材の移転を進めていく方針。

今回合意された技術協力の主な内容は、 (1) サイクル機構が開発してきた先導的な遠心分離機の技術情報等に関する、原燃への開示及び使用許諾 (2) サイクル機構から原燃ウラン濃縮技術開発センターへの、技術者の出向・派遣 (3) 原燃からサイクル機構への技術者の派遣 (4) 原燃からサイクル機構への業務委託 (分析、測定、試験等) (5) サイクル機構の開発施設 (東海事業所、人形峠環境技術センター) の供用−など。

今回の協定では、サイクル機構によるこれまでの研究開発成果を原燃に移転し、原燃が技術開発に携わることができるよう、協力内容を明確化した。さらに、 (1) 技術協力を円滑かつ効果的に進めるための運営会議に関する事項 (2) サイクル機構の保有する技術情報の開示を求める場合の手続きに関する事項 (3) サイクル機構の施設の供用を希望する場合の手続きに関する事項 (4) 開示技術情報の取扱いに関する事項等−といった内容も盛り込まれている。


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