[原子力産業新聞] 2000年11月9日 第2062号 <2面> |
[中央環境審議会] 新環境基本計画中間とりまとめ「原子力の利用」盛込む中央環境審議会の第84回企画政策部会が10月20日、東京都内で開かれ、「新環境基本計画中間とりまとめ」に関する一般公募の意見が紹介された。 1994年に策定された環境基本計画は、環境基本法に基づいて政府全体の環境保全施策を推進するための総合的計画。審議会は昨年6月以来計画の見直しを行い、これまでの審議に基づく中間とりまとめを9月中旬、審議した。 今回の中間とりまとめでは、94年計画よりわずかながら積極的に原子力を取り上げている。第3部第2章「環境保全施策の体系」の中に環境問題の各分野に係わる施策として、「原子力の開発利用については、原子力基本法等に基づき、放射性廃棄物の処理処分対策等を充実させつつ、安全性の確保を前提として、国民的議論を行い、国民の理解を得つつ進める」と書かれている。 同部会では、中間とりまとめに対するパブリックコメントを9月中旬より1か月間受け付けていたが、寄せられた意見の概要を整理し、10月20日の会合で紹介した。寄せられた意見のうち、以下のように原子力に関する意見もいくつか見られた。 「新エネ、省エネ、原子力どれをとっても困難。しかし6%削減や、次のさらなる削減に大きく実効を挙げるのは原子力。安全性を確保して原子力を推進してほしい。」「地球温暖化対策として原発の推進を掲げているが、確実な安全性の約束できない原発はいらない。他の先進諸国もすべて原発に対しては、現状維持、削減、撤廃の方向で進んでいる。自然エネルギーを推進し、石油などの消費に環境税などを導入することにより、国民のエネルギー消費を大幅に削減することを訴えるべき。」 「CO2 排出抑制対策を考える場合、日本の置かれたエネルギー状況を勘案すると原子力は不可欠であり、安全性の確保に引き続き最大限の努力を傾注し、国民の理解得つつ原子力の推進を図るべき。持続可能な社会を実現するための具体的道筋を明らかにし、安易なグリーンイメージに流されず、原子力の必要性・重要性を明確にすべきと考える。」 |