[原子力産業新聞] 2000年11月16日 第2063号 <1面>

[再処理] 東海再処理工場、運転再開へ

知事、村長とも了承

橋本昌茨城県知事と村上達也東海村長は10日、都甲泰正核燃料サイクル開発機構理事長に対して、東海再処理工場の運転再開を認める回答書をそれぞれ提出した。これにより、97年3月のアスファルト固化施設での火災爆発事故以来、3年8カ月ぶりの運転再開への道が開けた。再開は、今月20日が予定されている。

先月の茨城県原子力審議会の答申を受け、県と東海村は科技庁とサイクル機構に対し、運転再開条件となる要望書を提出。8日には、それぞれ回答書が示され、サイクル機構はその中で、安全確保や組織の透明性、情報公開に努め、定期的安全レビューの結果公表、高レベル廃棄物のガラス固化体の中間貯蔵に向けた必要な取組みを早期に行うことなどと回答。国も、厳格な安全規制と実効的な防災対策により安全確保に努めることや、再処理技術の民間への技術移転ならびに高燃焼度燃料等の再処理の研究開発を図っていく旨を回答した。

こうしたことを受け、県と村は運転再開の容認を確認。10日、都甲秦正サイクル機構理事長に対して、今年3月の運転再開申し入れへの回答となる文書を手渡した。

同機構は14日には、関係市町村に対し再処理施設再開後の運転計画を説明した。それによると、運転を再開する20日からは JCO 東海事業所から運び込まれていたウラン溶液約20キロの処理を行い、その後来月19日まで新型換炉「ふげん」の使用済み燃料約2.8トンを処理する予定。このほか、「ふげん」からは新たに5.2トンの燃料を年内に受け入れるとしている。


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