[原子力産業新聞] 2000年11月16日 第2063号 <2面>

[サイクル機構] 敦賀エネフォーラム2000開く

もんじゅの役割議論

核燃料サイクル開発機構の主催による「敦賀国際エネルギーフォーラム 2000」が11月9、10日の両日、福井県敦賀市の若狭湾エネルギー研究センターで開催された。同フォーラムは「地域」をキーワードとして、21世紀の国際関係とエネルギー問題、研究開発による地域振興への貢献、FBR「もんじゅ」の使命と期待などをテーマにとりあげた。国内外から約400名が参加。2日間にわたり講演やパネル討論に熱心に耳を傾けた。

主催者を代表して挨拶したサイクル機構の竹内榮次副理事長は、「21世紀の国際関係とエネルギー問題を、環境との調和・原子力も含めてグローバルに捉えて話し合っていきたい。また敦賀での活動の主要な核である『もんじゅ』の必要性、役割、新たな使命についても議論していきたい」と、今回のフォーラムの意義などを述べた。

続いて行われたセッション1の特別講演では、舛添政治経済研究所所長の舛添要一氏が「変貌する国際関係とエネルギー問題」をテーマに講演を行った。

翌10日のセッション3では、「『もんじゅ』の新しい使命と期待」と題し、海外の発表者も交え、活発な議論が行われた。 サイクル機構の竹内榮次副理事長は、「もんじゅ」の早期運転再開と FBR 実用化調査研究を今後の活動の両輪として掲げ、「開かれた体制で FBR 開発を進め、『もんじゅ』を通じて世界にその成果を発信するようにしたい」と抱負を述べた。

フランス大使館のJ.ラヴィンニュ原子力参事官は「『もんじゅ』の再起動に向けた期待とその価値」と題し、フランスの FBR 開発状況を説明したうえで、「フランスは FBR の必要性を認識しており、フェニックスで得られた知見を『もんじゅ』に活かし、1970年代から始まった日仏原子力協力関係を一層強化していきたい」と「もんじゅ」の早期運転再開を強く要望した。

宮崎慶次大阪大学名誉教授は「FBR で電力供給と同時にプル増殖を行い、核燃料サイクルを完成させれば、半恒久的なエネルギー確保の見通しを得るだけでなく、高レベル廃棄物を減量させ、環境負荷を大幅に軽減する」と FBR 開発の重要性を強調するとともに、「もんじゅ」の早期運転再開による FBR 開発の着実な進展を強く要望した。


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