[原子力産業新聞] 2000年11月23日 第2064号 <1面>

[日本原燃] MOX燃料加工事業を受諾

新部署設置、詳細検討へ

日本原燃は20日、ウラン・プルトニウム混合酸化物 (MOX) 燃料加工事業について、同事業の事業主体となる要請を受諾した。

原燃が電気事業連合会に、同事業に関する調査・検討の結果を報告した際に明らかになったもので、同社は10日に電事連から、六ヶ所村再処理工場内の隣接地点への立地を前提に、日本国内における MOX 燃料加工事業の事業主体となるよう要請を受けていた。また竹内哲夫原燃社長は20日、木村守男知事を訪ね受諾の旨を報告している。

電事連からの要請について原燃では検討を実施し、結果 (1) MOX 燃料加工技術が既に確立した段階にある (2) 原燃のサイクル事業に関する知見・経験を活用することにより、事業として十分成立し得る−と判断。17日開催の取締役会において、同要請の受諾を決定した。

計画によると加工工場の規模は製造能力最大130トン/年 (再処理工場で1年間に回収される MOX 粉末を原料に、将来の変動要因を考慮に入れても全量 MOX 燃料に加工できる容量として設定)、操業人員については約300人が見込まれている。また操業開始時期は、燃料製造に必要となる MOX 粉末の確保および、工場建設に要する期間などから、2005年 (再処理工場操業開始年度) の3〜4年後が見込まれている。

原燃は今後、青森県および六ヶ所村への新規立地の申し入れに向けて、MOX 燃料加工工場の基本設計など、事業の詳細を検討していくとしている。なお同事業を推進するための組織として、燃料製造部を12月1日付けで青森市の本社に設置する事も、合わせて明らかにされた。

原燃の受諾を受けて、太田宏次電事連会長は「わが国初の MOX 燃料加工工場の建設・操業に向けてスタートを切ることができ、大変喜ばしい。再処理処理工場とともに MOX 燃料加工工場の操業開始に向け、日本原燃と力をあわせて一層努めていく所存である」とのコメントを発表した。


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