[原子力産業新聞] 2000年11月30日 第2065号 <1面>

[むつ市] 中間貯蔵施設立地調査を要請

自治体として初

むつ市は29日、東京電力に対して使用済み燃料の中間貯蔵施設である「リサイクル燃料備蓄センター」立地に関わる技術調査 (立地可能性調査) の実施を、正式に依頼した。

むつ市が「(施設建設に関する)市における検討に資するために」東電に調査を依頼したもので、依頼を行った自治体は全国で初めて。二本柳助役は同日、東京・千代田区の東電本店を訪れ、同社の二見常夫常務に対して「リサイクル燃料備蓄センター立地の具体的調査を実施していただくよう、検討をよろしくお願いしたい」と述べ、杉山むつ市長からの依頼書を手渡した。これを受けた二見常務は、「大変ありがたい事。社内的に検討してまいりたい」と、東電として前向きに取り組んでいく姿勢を示した。

申し出を受けた東電は今後、建設地点の候補地選定など一連の調査を開始するが、調査開発時期については、現在の所未定。また調査機関についても「建設地点により調査ポイントの数が異なるため、一概には言えない」(二見常務) としている。

依頼書は、「当市は下北半島で一番最初に原子力船「むつ」から出された使用済み燃料を備蓄・管理している実績を持つ地域だ」とした上で、「日本のエネルギーを支え、むつ市として国のエネルギー政策に協力し、これによって、多様化する市民ニーズに対応するため恒久的な財源を確保する観点から、「リサイクル燃料備蓄センター」の誘致について、安全性を前提に環境にも配慮した検討を行おうとしている」と述べている。

さらに、「検討にあたっては、議会及び市民の皆様方にも説明会、講演会、公聴会、更には先進地視察などの勉強会を開催し、施設の安全性等について理解していただき、ご意見をいただこうと考えている。当市における検討に資するため、具体的な技術調査 (立地可能性調査) を実施していただきたく、検討方ご依頼申し上げる」としている。

要請を受け、南直哉東京電力社長は「当社は中間貯蔵施設の立地に取り組んできているが、このたびの技術調査のご依頼は大変ありがたいこと。今後は、技術調査の実施について、早急に検討を進めてまいりたい」とコメントしている。


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