[原子力産業新聞] 2000年12月7日 第2066号 <1面>

[もんじゅ] 運転再開へ事前了解願い受入れ

栗田知事、河瀬市長が合意

福井県の栗田幸雄知事と敦賀市の河瀬一治市長が5日、福井県庁で会談し、95年12月のナトリウム漏洩事故以来運転を停止している核燃料サイクル開発機構の高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の運転再開に向けた事前了解願いを受理する方向で、意見の一致をみた。

サイクル機構としては、「もんじゅ」の改造工事に対する国の安全審査を受けるために、県ならびに市とそれぞれ結んでいる安全協定に基づいて事前の了解を得る必要がある。同機構では、8日にも了解願いを提出する予定だ。

河瀬市長は、敦賀市議会の会期が11日から始まることもあり、議会開始前にも事前了解願いを受け取ったうえで、議会で審議したいとの考えを表している。

会談の席上、栗田知事は、県議会で「もんじゅ」の安全性に関する議論をスタートさせてもよい時期だと考えている旨の発言をしているが、その一方、受理すること自体がすぐに運転再開につながるものではないとする慎重な姿勢も崩していない。

サイクル機構では、事前了解願いが了承された場合、早い時期に漏洩対策工事にかかわる安全審査申請を行いたい考えだ。

「もんじゅ」の運転再開をめぐっては、先月26日、大島理森科学技術庁長官が粟田知事および河瀬市長を訪ね、長期計画で示された核燃料サイクルや FBR 開発の意義、「もんじゅ」の位置づけなどを説明するとともに、早期運転再開に対して理解と協力を求めていた。一方、福井県側としては懸案となっている大規模プロジェクトを抱えている事情もあり、運転再開に向けた今後の動きにも影響が予想される。


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