[原子力産業新聞] 2000年12月7日 第2066号 <3面>

[英国] マグノックス炉の使用済み燃料管理で、再処理の継続を勧告

英国政府の独立の諮問機関である放射性廃棄物管理諮問委員会 (RWMAC) は11月14日、マグノックス炉からの使用済み燃料再処理の継続を含め、放射性廃棄物の長期管理について明確かつ透明性のある政策を策定するよう政府に勧告する報告書を公表した。

昨年の内閣要請に基づき、RWMAC は99−2000年作業計画の一環として再処理に係わる放射性廃棄物の管理について審査。具体的には英原子燃料会社 (BNFL) がセラフィールドで操業しているマグノックス炉燃料再処理用の B205 施設と軽水炉および AGR 専用の酸化物燃料再処理工場 (THORP) について、将来の稼働シナリオを4〜5種類想定して作業したと説明している。結論としてはまず、すべての固体放射性廃棄物について政府が明確で透明性の高い長期管理政策を特定するよう促しているほか、今後は国内の廃棄物と外国に委託されたものとを区別して管理することを勧告している。

マグノックス炉の使用済み燃料については、RWMAC は乾式貯蔵で長期管理するのは実用的ではないと言明。今後も継続して再処理していく必要性を指摘している。また、BNFL が昨年5月に改訂したマグノックス炉事業計画の中で、半数以上のマグノックス炉で運転年数の延長を決める一方、B205 施設は2012年で操業を停止するとしていたが、RWMAC はこれについても BNFL の再検討を要請。再処理施設の停止は原子炉の閉鎖を促すため、再処理施設の停止日程と原子炉の操業計画を実際に同調させられるよう保証すること、目標日程の達成を目指して作業の進展状況を監視すること、必要な処理量が達成できなかった場合の戦略を明言できるようにしておくことが重要だと強調した。

一方、最新の再処理設備である THORP については、RWMAC は「2010年までに既存の契約作業を完了してしまい、その後は国内外ともに新規契約を取るのは難しい」との見方を提示。同工場の将来は契約を獲得する BNFL の能力一つにかかっていると指摘した。


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