[原子力産業新聞] 2000年12月14日 第2067号 <3面>

[米国] 米議員Gr、クリントン大統領に原子力の活用訴える

米国議会・上院に付属する委員会の委員長を務める議員3名が11月17日、温室効果ガスの削減努力において原子力を含めた先進技術の活用が損なわれるべきではないとする書簡をクリントン大統領に提出した。

この共同書簡に署名したのは上院の環境・公共事業委員会のB.スミス委員長、同委・大気清浄化小委員会のF.インホセ委員長。およびエネルギー・天然資源委員会のF.マコースキ委員長。この1週間ほど前に経済協力開発機構 (OECD) のD.ジョンストン事務局長が、「地球温暖化に対する国際的な対応の中で原子力は主要な役割を果たさなくてはならない」と訴えたのに呼応する形で出されている。

3議員は大統領への書簡の中で、「米国は特に、人工の温室効果ガスを排出するリスクを削減できるような先進技術の開発と適用に最大限の努力を傾注すべきだ」との考えを表明。同じ時期にオランダのハーグで CO2 排出削減目標の達成方法に関する折衝が続いていたのを意識した上で次のように続けている。

「我々3名は、米国内および世界の温室効果ガス削減のために我が国の先進的な技術の開発、販売、輸出、活用が損なわれるような行動を米国が取らないよう大統領に進言したい。このような技術の例としては、汚染の少ない石炭火力、原子力、水力などの発電技術や低公害車両などの輸送技術が上げられる。

我々の経済活動や生活スタイルに消極的な影響を与えることなく人工の温室効果ガス排出のリスクを管理していくためには、米国はこうした先進技術の開発と適用に最大限、努力しなければならない。実際問題、先進国と途上国も含めた国際社会は、温室効果ガスの排出削減が可能かつ世界中の生活水準の改善に必要な経済開発の手段を提供できるような技術のすべてを制約を受けずに活用しなくてはならない。もちろん、全ての国が全ての技術を利用するわけではないが、世界のそれぞれの国がそれぞれの国情に基づいた選択をするのを尊重しなくてはなるまい。

COP6 の米国代表はこうした意味で、いかなる国際機関も各国が温暖化防止のための技術選択における独自の判断を下すのを妨げてはならないとする我々の見解を維持すべきだと考える。温室効果ガスの排出を削減できるいかなる技術も除外されたり、不十分に活用されることがあってはならないのだ」


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